経済/国際情勢/社会
5月末までは例年よりも肌寒く感じられましたが、わずか1ヶ月で外出が困難なほどの猛暑が訪れています。なぜ今年の夏はこれほど暑いのか、その理由を整理してみたいと思います。 貿易風とエルニーニョの関係 地球が西から東へ回転すると、東から西へ吹く風が…
人間は20代から歯が徐々に劣化し始めます。平均寿命が延びるにつれて歯に問題が生じるケースが増え、最近ではインプラントを選ぶ人が多くなっています。 過去には入れ歯が主流でしたが、入れ歯は顎の骨ではなく歯茎から支持力を得る仕組みです。そのため、入…
tomotou.com 以前の記事で、延命・人工臓器についてまとめたことがあります。内容を簡単にまとめると、以下となります。 GDF11は若返りの鍵となるタンパク質として注目されている オルガノイド (人工臓器)は新薬開発や試験効率化の切り札 NectomeやCalicoの…
抗がん剤に関して注目すべき動きがあったため、まず抗がん剤の歴史から整理してみたいと思います。 ヘンリエッタ・ラックスと「不死の細胞」 1950年代、アメリカでは黒人に対する人種差別が根強く残っていました。アメリカのメリーランド州で唯一、黒人貧困…
ベトナムは米国にとって貿易赤字第3位の国であり、中国製品の迂回輸出ルートとしても活用されているため、トランプはベトナムに対して最高水準の46%の相互関税を適用していました。 米国の関税 ベトナムの総輸出額のうち、米国向けの輸出が30%を占めており、…
トランプの大きく美しい法案 7月2日、トランプの主要な政策公約を盛り込んだ「大きく美しい法案(One Big, Beautiful Bill, OBBB)」が米上院を通過しました。 定数100の米上院では、共和党が53議席、民主党(無所属含む)が47議席を占めています。今回のOBB…
住宅ローンと仮想通貨 米国の金融市場で非常に象徴的な出来事が起きました。それは、仮想通貨が住宅ローン審査という最も保守的な金融領域において、「資産」として正式に認められたことです。 米国住宅金融庁(FHFA:Federal Housing Finance Agency)は、…
EUで環境規制の緩和に向けた動きが見られます。 それに伴い、自動車業界にも変化が生じているため、関連する内容を整理してみたいと思います。 ドイツが主導するEU環境規制の緩和 EUは「ユーロ1」から始まり、「ユーロ6」に至るまで、自動車とトラックの排出…
tomotou.com 以前の記事で、SLR規制の緩和の可能性について取り上げたことがあります。SLRとは、自己資本を総資産で割った数値のことです。 リスク発生に備えて、米国の銀行が十分な資本を保有し、リスクを管理することを目的に導入された制度です。 現在のS…
イスラエルとイランの戦争が停戦に至ったとしても、その余波は今後もしばらく続くと見られます。特に農産物と尿素水の分野に影響がありそうなので、その点を中心に整理していきたいと思います。 いつものように、過去の事例をもとに現在の状況を解説していき…
トランプが、イスラエル・イランの全面的かつ完全な停戦を発表したことで、およそ2週間続いた戦争リスクは事実上終息を迎えました。 トランプは「世界は12日間の戦争の終息を祝うべきだ」と述べ、「この戦争は数年間続く可能性があり、中東全体を破壊しかね…
AIが進化するにつれて、私たちの生活はさまざまな場面で変わり始めています。当然、株式市場もその影響を受けており、株式投資においてもAIの存在感が高まっています。 株式取引におけるAI活用とHFTの登場 株式取引でAIを活用する方法のひとつに、HFT(High …
tomotou.com 前回の記事では、「ステーブルコインとは何か」、「なぜ登場したのか」について説明し、ステーブルコインの基盤となる「イーサリアム」、そして実際にステーブルコインを発行している企業である「Tether」と「Circle」に注目する必要があると述…
ウォーレン・バフェットが継続的に買い増し、長期保有している銘柄の中に「オキシデンタル・ペトロリアム(Occidental Petroleum)」という企業があります。オキシデンタルは1920年に設立され、テキサス州ヒューストンに本社を置く、米国の石油・ガス・化学…
金、銀、銅 多くの人が貴金属の投資先として金や銀、プラチナに注目しますが、実は銅も有望な投資先の一つです。その理由について整理してみたいと思います。 銅の優れた電気伝導性 銅はあらゆる金属の中で、銀に次いで電気伝導性が2番目に高い金属です。電…
イランがホルムズ海峡を封鎖する可能性についての話が出ています。ホルムズ海峡とは何か、そしてそれがどのような影響を及ぼすのかを解説したいと思います。 ホルムズ海峡とは? ホルムズ海峡という名前は、イランのホルムズ島に由来しています。 ホルムズ海…
tomotou.com 前回の記事では、イスラエルがイランを攻撃する理由として宗教的背景を中心に解説しました。今回は、イスラエルの内部事情に焦点を当てて解説したいと思います。 これまでのイスラエルとイランの対立は、ある種のパターンに従って展開されてきま…
昨日、イスラエルがイランを攻撃したという速報が入りました。 なぜイスラエルはイランを攻撃したのか、その背景を整理してみたいと思います。 最後のほうに要点を整理しますので、時間がない方はそれだけ見ても良いかと思います。 (adsbygoogle = window.ad…
tomotou.com 以前の記事で、「もし原子力分野への投資が遅れてしまったなら、「ウラン」に注目するのも良い選択肢となる可能性が高い」とコメントしました。 今回はウランについて内容をまとめ、最後に関連銘柄を紹介したいと思います。いつものように、まず…
急速に成長している市場があるため、今回はその動向を整理してみたいと思います。2024年8月、エヌビディアの決算発表後に行われたジェンスン・フアンCEOのQ&Aセッションでは、インフラに関する発言が特に注目されました。 データセンターでは、チップが演算…
トランプと習近平 6月5日、トランプと習近平が90分にわたって電話会談を行い、停滞していた米中貿易交渉を再開することで合意しました。 電話をどちらが先にかけるかは、両首脳にとって重要なポイントでしたが、結局トランプが先に電話をかけた形となりまし…
中国共産党はゲームを「精神的アヘン」と規定し、厳しく規制しています。その背景には、ゲームそのものよりも、ゲームを通じて形成されるネットワーク、つまり人と人とのつながりが危険だと見なしていることがあります。中国では12歳未満の子供はゲームを完…
2023年6月、アメリカを訪問したインドのモディ首相は、バイデンに7.5カラットの大きなダイヤモンドを贈りました。7.5カラットというと非常に高価のように見えますが、実は天然のダイヤモンドではなく、インドが国家レベルで重要産業として育成している「ラボ…
スタバの業績不振 アメリカのスターバックスの業績が最近ずっと芳しくないため、その状況を整理してみたいと思います。 スターバックスの始まりと成長、そして最近の不調 スターバックスは1971年、米国・シアトルの小さな店舗からスタートしました。当初はコ…
5月31日、トランプは自身のSNSで「中国が我々との合意事項を完全に違反している」と発言しました。トランプは中国が具体的に何を違反したのかについては明言しませんでしたが、ジェイミソン・グリアUSTR代表の発言からその内容を推測できます。 グリアは「中…
中国の半導体 2018年、米中貿易戦争をきっかけに、習近平は中国の半導体強化政策を正式に宣言しました。「半導体は製造業の心臓だ。メモリ半導体技術で世界の頂点に立たなければならない」と述べ、半導体技術の自立を強く促したのです。過去の半導体開発は進…
「外国人投資家への課税法案」に対するウォール街の懸念 先週、アメリカ下院を通過した法案の中に「セクション899(Section 899)」と呼ばれる条項が含まれています。この条項の正式名称は「不公正な外国税に対する制裁執行(Enforcement of Remedies Agains…
わずか1年前までは市場から成功の可能性について否定的な評価を受けていたSMRやMMRに、今では投資資金が集中しています。 原子力発電は、大型原子力発電(出力1,000MWe以上)から小型モジュール炉(SMR、50~300MWe)へ、さらにマイクロモジュール炉(MMR、1…
トランプの関税 5月28日(日本時間5月29日)、米国際貿易裁判所は、トランプがIEEPA(国際緊急経済権限法)を根拠に実施した包括関税および相互関税について、無効とする判決を下しました。 裁判所は、「米国憲法により、外国との貿易を規制する排他的権限は連…
米国は2025年4月17日、中国船舶から入港手数料を導入する方針を発表しました。この規制で恩恵を受けるのは日本と韓国です。造船業の歴史を振り返りながら、今後日本と韓国が商船市場でどのように競争していくのかを整理してみたいと思います。 英国から日本…