トランプが激怒する「TACO」ミームとは?トランプへの対応戦略

トランプと習近平

6月5日、トランプと習近平が90分にわたって電話会談を行い、停滞していた米中貿易交渉を再開することで合意しました。

電話をどちらが先にかけるかは、両首脳にとって重要なポイントでしたが、結局トランプが先に電話をかけた形となりました。
中国のメディアは、今回の電話会談がトランプの要請によって実現したことを強調し、中国が勝利したと大々的に中国国民に報じました。


トランプの「TACO」ミーム

米国では臆病者のことを「チキン(chicken)」と呼びます。

チキンゲーム

「チキンゲーム(chicken game)」とは、1950年代のアメリカで流行ったもので、2人の参加者が正面衝突するコースを突進し、先に避けたほうが「負け」、つまり「チキン(臆病者)」となるゲームです。
一方、両者が避けなければそのまま大事故になります。


今回、トランプが習近平に先に電話をかけたことがきっかけで、ネット上では「トランプはチキンだ」というミームが拡散しています。

トランプ「チキン」「TACO」ミーム

特に「TACO」という言葉が流行っています。
これは「Trump Always Chickens Out」の略で、「トランプはいつもビビって引き下がる」という意味です。

第1次トランプ政権時にトランプと対立したオーストラリアのターンブル元首相(2015~2018年)は、各国の首脳に対して、トランプへの対応戦略について助言したことがあります。

世界のリーダーたちは、トランプの怒りを買わないようにと、お世辞を言って必死にご機嫌を取ろうとするが、そうした「従順(pliant)」なアプローチは悪手だ。
いじめに屈すれば、さらにいじめられるだけだ。
トランプに認められるためには、彼に立ち向かうしかない。

さらに彼はこうも強調しました。

トランプを動かすには、自分の立場を明確にし、強い姿勢で臨む必要がある。
彼はまるでガキ大将のように、まず相手を力でねじ伏せようとする。
しかし、それが通じないと見ると、今度は「交渉」という形で歩み寄ってくる。
つまり、まともな話し合いに持ち込むためには、まずその圧力に屈せず、真っ向から対抗する覚悟が求められる。

 

最近では、ターンブル元首相のこの対トランプ戦略が、世界各国のリーダーの間で一般的なアプローチになりつつあるようです。