2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

この夏、超熱帯夜が訪れるのか?

5月末までは例年よりも肌寒く感じられましたが、わずか1ヶ月で外出が困難なほどの猛暑が訪れています。なぜ今年の夏はこれほど暑いのか、その理由を整理してみたいと思います。 貿易風とエルニーニョの関係 地球が西から東へ回転すると、東から西へ吹く風が…

「歯が生え変わる薬」登場へ:インプラント不要の未来は近い?

人間は20代から歯が徐々に劣化し始めます。平均寿命が延びるにつれて歯に問題が生じるケースが増え、最近ではインプラントを選ぶ人が多くなっています。 過去には入れ歯が主流でしたが、入れ歯は顎の骨ではなく歯茎から支持力を得る仕組みです。そのため、入…

新薬開発を加速する次世代技術 ー AI・オルガノイド・ゼブラフィッシュ

tomotou.com 以前の記事で、延命・人工臓器についてまとめたことがあります。内容を簡単にまとめると、以下となります。 GDF11は若返りの鍵となるタンパク質として注目されている オルガノイド (人工臓器)は新薬開発や試験効率化の切り札 NectomeやCalicoの…

抗がん剤進歩の歴史(CAR-T細胞)

抗がん剤に関して注目すべき動きがあったため、まず抗がん剤の歴史から整理してみたいと思います。 ヘンリエッタ・ラックスと「不死の細胞」 1950年代、アメリカでは黒人に対する人種差別が根強く残っていました。アメリカのメリーランド州で唯一、黒人貧困…

ベトナムと米国の貿易合意成立(ベトナムは中国の代替国となるのか?)

ベトナムは米国にとって貿易赤字第3位の国であり、中国製品の迂回輸出ルートとしても活用されているため、トランプはベトナムに対して最高水準の46%の相互関税を適用していました。 米国の関税 ベトナムの総輸出額のうち、米国向けの輸出が30%を占めており、…

トランプの「大きく美しい法案(OBBB)」の主な内容とその影響

トランプの大きく美しい法案 7月2日、トランプの主要な政策公約を盛り込んだ「大きく美しい法案(One Big, Beautiful Bill, OBBB)」が米上院を通過しました。 定数100の米上院では、共和党が53議席、民主党(無所属含む)が47議席を占めています。今回のOBB…

仮想通貨、米国住宅金融システムに本格参入(Coinbase, Robinhood, Palantir)

住宅ローンと仮想通貨 米国の金融市場で非常に象徴的な出来事が起きました。それは、仮想通貨が住宅ローン審査という最も保守的な金融領域において、「資産」として正式に認められたことです。 米国住宅金融庁(FHFA:Federal Housing Finance Agency)は、…