銅価格急騰の理由(銅に50%関税)

銅の価格

銅の価格が急騰しました。
これはトランプが銅に対して50%の関税を課すと発表したためです。

6月17日に、今年は金・銀・プラチナよりも銅が投資先として有望かもしれないという記事を書いたことがあります。

tomotou.com

銅が投資先として優れている理由を一言でまとめると、

「電気があるところには必ず銅があり、その銅がますます希少になっている」からです。

銅は世界中に広く分布していますが、鉱山はチリに集中しており、世界の銅の約3分の1がチリで生産されています。
アメリカも輸入する銅の65%をチリから調達しています。

チリの銅も採掘量が増加するにつれて採掘難易度が上がり、それに伴い採掘コストも上昇しています。

供給が難しくなる一方で、データセンターや電気自動車などによる銅の需要は爆発的に増加しています。
2030年には2,150万トンの銅が不足するという見通しさえ出ています。


関税は貿易拡張法232条に基づき実施

今回の銅に対する関税は、相互関税とは別に「貿易拡張法232条」に基づいて進められます。
トランプは2025年2月、銅の輸入が国家安全保障に与える影響を調査するよう指示しました。
米国の商務省は270日以内に調査結果を提出しなければならず、その後トランプは調査結果が出てから90日以内に関税を決定できます。

ただし、商務省は2025年11月までに結果を提出する予定ですが、スケジュールを前倒しし、7月中に調査結果が出るという噂も流れています。
調査結果が出次第、トランプは即座に関税を決定する可能性があります。

つまり、早ければ7月末から8月初旬にも銅に関税が課される可能性があります。

現在、アメリカは銅の55%を自国で調達し、残り45%を輸入しています。

これはアメリカ国内に銅鉱山がないからではなく、製錬インフラが不足しているため、輸入に頼らざるを得ない状況です。
関税が課されれば、輸入銅の価格は上昇し、アメリカ国内の製錬インフラへの投資動機が生まれます。


銅は交渉カード?

トランプは当面の関税交渉で銅を交渉カードとして活用する可能性もあります。
アメリカが輸入銅に高い関税を課すと、中国は銅および銅を含む製品の対米輸出に支障をきたします。
日本も、銅を使用する電子機器や自動車の輸出で打撃を受けることになります。

つまり、トランプは銅を交渉材料に使い、他の分野で譲歩を引き出す戦略を取ると予想されます。

銅は用途が非常に多いため、銅価格の上昇はインフレーションを広範囲に刺激する可能性が高いです。

インフレが進行するとトランプ自身にとっても厄介な状況となるため、銅はあくまで交渉相手国に圧力をかけるカードとして使う程度ではないかと考えられます。