遠い未来のことだと思っていたものが、実用化にかなり近づいてきたので情報をまとめてみました。
最後のほうに関連銘柄を書いておきます。
最後のほうに関連銘柄を書いておきます。

太陽からの光は波長によって紫外線や可視光線、赤外線などに分けられます。
人間は380~780ナノメートルの波長の光を見ることができ、それを「目で見える波長範囲の光」という意味で可視光線と呼んでいます。
380ナノメートルより短い紫色の外側の波長を紫外線と呼び、780ナノメートルより長い赤色系の波長を赤外線と呼びます。
蝶やミツバチなどは紫外線で世の中を見て蜜のある花を区別し、
ヘビや蚊などは赤外線で世の中を見て熱を発する物体を判別します。
ヘビや蚊などは赤外線で世の中を見て熱を発する物体を判別します。
それぞれ活用する光が違うということです。
現在、太陽光発電の基本となっているシリコン太陽電池は、
光の中でも赤外線を主に利用しています。
光の中でも赤外線を主に利用しています。
全体の光ではなく、赤外線を主に利用するので、効率は26%程度しか出ていません。
作る過程も1400度以上の高温が必要で、200~300マイクロメートルと厚く、不透明な性質を持っています。
一方で、変形しにくく、25年以上の寿命が保証されるというメリットもあります。
最近注目されている太陽電池は「ペロブスカイト」です。
ペロブスカイトは、19世紀のロシアの鉱物学者レフ・ペロフスキーが発見した鉱物に由来する名前です。
2009年、日本の宮坂教授の研究チームがペロブスカイト物質を太陽電池に適用する研究をしました。
ペロブスカイトを適用すると、従来のシリコン太陽電池とは異なる利点があります。
ペロブスカイトは赤外線や紫外線も一部吸収しますが、可視光線を広範囲に吸収する性質があります。
従来のシリコン太陽電池では活用できなかった可視光線も活用できるのです。
シリコン太陽電池のような1400度以上の高温ではなく、100度以下の溶液が必要で、
柔軟なフィルムの形で作ることができるというメリットもあります。
シリコン太陽電池の厚さが200~300マイクロメートルであるのに対し、
柔軟なフィルムの形で作ることができるというメリットもあります。

シリコン太陽電池の厚さが200~300マイクロメートルであるのに対し、
ペロブスカイトは0.3マイクロメートルの超薄膜が可能で、透明な性質も持っています。
実用化されれば、インクジェット印刷方式で大量生産が可能で、生産コストもはるかに安くなります。
しかし、2つの問題がありました。
2009年に宮坂教授の研究チームが最初に発表したペロブスカイトは、効率が3.8%と、
26%のシリコンに比べて効率が低すぎました。
26%のシリコンに比べて効率が低すぎました。
湿気や熱に弱く、寿命も短く、鉛の毒性などの欠点もありました。
デメリットが多いため、商用ではなく研究所の素材で終わるかと思いきや、ある変化が起こります。
3.8%だった効率が25%まで上がり、効率面では26%のシリコンに近づいたのです。
湿気や熱に弱く、鉛成分などの欠点もカプセル化方式などが開発され、補完されつつあります。
デメリットが少なくなると、メリットが見え始めてきました。
米国マサチューセッツ工科大学(MIT)が発行する「MITテクノロジーレビュー」は、2024年の画期的な革新技術として「超効率太陽電池」を選定しました。
MITが言及した「超効率太陽電池」は、シリコンとペロブスカイトを混合した「シリコン-ペロブスカイトタンデム太陽電池」です。
タンデム(Tandem)は「連続して接続されている」という意味です。
シリコンとペロブスカイトを層状に積み重ねて、太陽光のスペクトルをより広く活用する技術がタンデムです。
赤外線を主に活用するシリコンと可視光を主に活用するペロブスカイトが出会うことで、
光の効率が大幅に向上しました。
光の効率が大幅に向上しました。
それぞれでは25~26%台の効率が出ますが、タンデム方式で積み重ねることで、
可視光と赤外線の両方を活用できるようになったからです。
可視光と赤外線の両方を活用できるようになったからです。
2024年11月、世界的な太陽光発電企業であるLONGi(ロンジ)は、
シリコン-ペロブスカイトのタンデム太陽電池の効率を33.9%まで上げ、世界新記録を樹立しました。
シリコン-ペロブスカイトのタンデム太陽電池の効率を33.9%まで上げ、世界新記録を樹立しました。
理論的には44%まで到達可能だと言われています。
このように効率が上がれば、同じ面積でより多くの太陽光発電容量が得られるようになります。
発電効率だけでなく、ペロブスカイトの柔軟性、薄さ、透明性の特徴を活用することもできます。
窓や、車のサンルーフなどにペロブスカイトを貼れば、自然光は通過させながら、電気の生産が可能になります。
テントやバックパックに貼れば、屋外でポータブル電源の確保が可能になります。
韓国の現代自動車は車両の屋根と窓にペロブスカイトを貼って走行距離を10~20%長くすることを研究しています。
ドローンに活用すれば、滞空時間が長くなり、ロール状に丸めて持ち歩くポータブル発電になる可能性もあります。
ビニールハウスに適用すれば、作物の光量を調節でき、電気を供給することができます。
商用化については、イギリスのオックスフォードPVやアメリカのファーストソーラーなどが先行していますが、日本のパナソニック、韓国のハンファQセルズなども追いついている状況です。
2025年2月19日から3日間、日本の東京で世界最大規模の新エネルギー総合展示会「スマートエネルギーWeek」が開催されましたが、
最も注目されたのはもちろんペロブスカイト太陽電池でした。
最も注目されたのはもちろんペロブスカイト太陽電池でした。
中国のUtmoLightは、上記展示会でペロブスカイト電池の生産ラインモデルと製品群を紹介し、量産体制の構築を宣言しました。
また、太陽光発電工事企業であるサンエーは、ペロブスカイト電池の実際の施工事例を展示しました。
日本経済産業省は、ペロブスカイト太陽電池導入戦略(次世代太陽電池戦略)を策定し、第7次エネルギー基本計画に反映しました。
2025年から市場を形成し、ペロブスカイトの発電コスト目標を2025年までに20円/kWh、2030年までに14円/kWhに設定しました。
日本は、ペロブスカイトを中心に量産技術の確立、生産体制の整備、需要の創出などを進める方針を示しています。
2030年までに大規模なペロブスカイト生産設備構築のための資金を支援し、
政府施設など公共部門で優先的に導入する計画です。
政府施設など公共部門で優先的に導入する計画です。
日本は2030年に設置可能な建築物の50%、2040年に100%の太陽光発電設備を設置することを目指しています。
太陽光発電の設置に適した地域が少なくなっているため、壁面や窓などに設置できるペロブスカイト太陽電池を積極的に導入するのです。
ペロブスカイト太陽電池の欠点は、従来のシリコンに比べて耐久年数が短く、性能が落ちるという点ですが、
ベルギーの半導体研究所アイマック(IMEC)は2年間屋外で実戦テストを行い、耐久性をある程度証明している状況です。
一部では、従来の可視光線領域を超えて近赤外線まで吸収できる技術を開発し、活用の幅を広げようとしています。
既存の鉛ベースのペロブスカイト太陽電池は、850ナノメートル以下の波長の可視光領域のみに吸収スペクトルが制限され、全体の太陽エネルギーの約52%を活用できないという問題があります。
これを解決するために、有機バルクヘテロ接合(Bulk HeteroJuction、BHJ)をペロブスカイトと組み合わせたハイブリッド素子を設計し、近赤外線領域まで吸収できる太陽電池を研究中です。
韓国の現代自動車は電気自動車のオリンピックと呼ばれる「国際電気自動車シンポジウム・展示会(EVS37)」で太陽電池の革新技術を披露しました。
ペロブスカイトを活用し、曲げることができ、透明な太陽電池の「実物」を披露したのです。
ペロブスカイトが可視光線で充電できるため、地下駐車場のLED照明の光だけで充電が可能だそうです。
透明で曲がる柔軟性を持つため、サンルーフや窓ガラスにも取り付けが可能で、実際に取り付けられた実物も紹介されました。
新しい技術は日進月歩で進化していくので、去年は可能性が低かったものが今年急に発展したりして投資のタイミングを逃してしまう場合があります。
LED照明の光だけで充電ができるほどなら、実用化はとても近いように見受けられます。
現代自動車、オックスフォードPV、ファーストソーラー、パナソニック、ハンファQセルズ、UtmoLight、サンエー、IMEC...
現代自動車、オックスフォードPV、ファーストソーラー、パナソニック、ハンファQセルズ、UtmoLight、サンエー、IMEC...
どこかでチャンスがありそうです。