2025年5月7日、イーサリアムはペクトラ(Pectra)アップグレードを成功させました。
アップグレード後、1800ドル前後で推移していたイーサリアムは現在2500ドルを超え、約40%上昇しています。
このように見ると、アップグレードにより価格が上昇したように見えますが、個人的には現在の価格の動きにおいて、アップグレードの影響は少ないと思います。
もちろん、10年以上の間、定期的にアップグレードを行い、進化し続けている仮想通貨はイーサリアムが唯一なので、投資家の期待を集め、それが価格上昇につながる傾向はあります。
イーサリアムのアップグレード以降、私たちの実生活に仮想通貨が役に立つと感じるような大激変があったかと冷静に考えてみると、そうではなかったことがわかります。
正直に言えば、これまでは実用性に乏しいものが、理由もなく何倍にも上昇・下落を繰り返していたと言えます。
しかし、今回は今までとは違い、実生活で仮想通貨が有意義に使われる最初の事例が現れる可能性が非常に高いです。
イーサリアムが上昇できる一つのトリガーは「資産のトークン化」です。
トークン化とは、現実世界の資産(不動産、債券、株式など)をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現することです。
資産をトークン化することで、元本の安定性と高い流動性を同時に狙えるメリットがあります。
このような「現実世界の資産のトークン化」は「RWA(Real World Asset)」と呼ばれ、今後機関投資家を中心に拡大していく分野です。
注目すべきは、こうしたRWAプロジェクトのほとんどがイーサリアム上で展開されている点です。
イーサリアムは高いセキュリティ性とスマートコントラクトの柔軟性から、実世界の金融商品を扱う上で最も信頼されている基盤です。
つまり、ウォール街のような大手機関がRWA市場に本格的に参入すれば最も恩恵を受けるのはイーサリアムである可能性が極めて高いのです。
ブロックチェーン技術が実際の金融インフラとして使われる、伝統金融とブロックチェーンが融合する歴史的な瞬間の到来を示唆しています。
イーサリアムのもう一つの上昇トリガーは「ステーキングETF」です。
現在のイーサリアムETFは、ステーキング機能(資産を預けると利息がもらえる機能)がない中途半端なETFです。
そのため、ビットコインETFには多くの資金が集まっている一方、
イーサリアムETFへの資金流入はまだ微々たるものにとどまっています。
イーサリアムETFへの資金流入はまだ微々たるものにとどまっています。
本格的な上昇には、米国の機関投資家からの資金流入が不可欠です。
彼らを引き寄せるには、イーサリアムETFにステーキング機能が追加される必要があります。
昨日、SEC(米国証券取引委員会)の新委員長にポール・アトキンスが就任し、以下のような就任挨拶を残しました。

伝統的な証券市場がブロックチェーン技術へと移行する動きは、アナログのレコードがデジタル音源に置き換わっていった流れに通じるものがある。
トランプ政権の「米国を暗号通貨の首都にする」という目標を達成するために、SECは発行・受託・決済に関する明確なルールを迅速に策定し、既存の権限を合理的な規制の枠組みに構築する。
新SEC委員長の就任演説を聞いて、イーサリアムが王座を取り戻す日はそう遠くないと感じました。
イーサリアムの本格的な上昇はまだ始まってもない気がします。
いつもファンダメンタルズが静かに先行し、価格は遅れてついてきます。
多くの人が関心を失ったときにこそチャンスは生まれ、静かに待ち続けた投資家が最終的に勝者となると思います。
多くの人が関心を失ったときにこそチャンスは生まれ、静かに待ち続けた投資家が最終的に勝者となると思います。